12月, 2019年
ドライアイ
目の表面が乾くことで様々な不快症状が表れるドライアイ。パソコン、エアコンの普及で患者が増えている現代病の一つです。
空気が乾燥しがちな冬場は一段の用心が必要な季節です。ドライアイの発症のしくみと備えについての記事が2019年12月21日の日経新聞に載っていました。
涙には2種類あるそうです。泣いたときに出る「反射性分泌の涙」と目の表面を常に覆い保護する「基礎分泌の涙」で、後者がドライアイに関係します。
基礎分泌の涙は油、水、ムチン(糖タンパク質の一種)の3層から成り立っています。
水の蒸発を防ぐ油、目を潤し角膜に栄養を供給したり異物を洗浄したりする水、水を目の表面に均一に広げて定着させるムチンと、それぞれ大切な役割を担っています。
基礎分泌の涙が減ったり3成分のバランスが崩れ涙の層が不安定になったりすると目の表面が乾いて傷ついたりし不快な症状につながるのです。
涙の量や質が変化する原因の一つは加齢で、年齢を重ねると涙の分泌量が減ってきます。もう一つの原因は生活習慣の変化です。
パソコンやスマートフォンの長時間使用によって、画面を凝視し続けると、まばたきの回数が減り乾燥しやすくなります。
コンタクトレンズの使用もドライアイを招きやすいそうです。涙がレンズに吸い取られ、蒸発しやすくなるからです。
ドライアイには現代病の側面があり、2016年にはドライアイの診断基準が改定されました。
従来は目の傷の有無が基準とされましたが、自覚症状と涙の蒸発の速さでドライアイと診断されるようになったそうです。
生活習慣の改善でも症状が治まらない場合は、眼科で点眼薬を処方してもらうことをすすめています。
かつては水分を補給し傷ついた角膜を修復する点眼薬のみでしたが、最近は涙の各成分に直接働きかける点眼薬が開発されています。
点眼薬は必ず防腐剤の入っていないものをすすめています。
涙が少ない人が防腐剤入りを使うと、防腐剤が目の表面にとどまり角膜障害を起こしかねないからです。
配信 Willmake143
冬の唇荒れ
空気が乾燥する冬は唇が荒れがちです。放置していると重症化しかねません。また、胃腸障害など他の疾病が潜んでいることもあります。
決して侮らずに、唇荒れにつながる習慣を見直し、予防、改善に努めようという記事が2019年12月14日付の日経新聞に載っていました。
唇は粘膜と皮膚の境目にあり、他の部位の皮膚とは構造が異なるそうです。
油分を保つ皮脂膜がほとんどなく、皮膚の外側の角層が非常に薄いため、水分が蒸発しやすく、バリア機能を保ちにくい。
外的刺激の影響も受けやすいということです。
唇荒れに最も影響するのは、気温や湿度の低下による乾燥です。
乾燥により唇が乾くと、なめてうるおそうとしがちですが、唾液とともに唇に残る水分まで蒸発するので、かえって乾燥が進みます。
唇が荒れると気になって、なめるほか、かむ、唇を巻き込んでぎゅっと閉じる、皮をむくといった癖が生じやくなります。
そうした癖が、唇荒れを助長する悪循環につながってしまうそうです。
唇の荒れを防ぐには、保湿と紫外線対策をすることが大切です。
東邦大学医療センター大森病院(東京・大田)皮膚科の関東裕美臨床教授は、「保湿にはワセリンなどをこまめに塗る。特に就寝前にしっかり塗ると効果的。冷たい外気に触れる外出時にはマスクの着用を」と語っています。
唇の皮むけやひび割れが悪化すると、唇や口角に亀裂や出血、ただれなどが生じる口唇炎や口角炎になることもあります。
その場合は、治療効果のある医薬品のリップクリームを使うといいそうです。
顔の皮膚が新しく生まれ変わるまでの日数は約1ヵ月間。一方、唇は3.5〜10日間と短く、しっかりケアをしていれば、唇の荒れは肌荒れよりも改善しやすいとのことです。
それにもかかわらず、口角炎がなかなか治らなかったり、繰り返したりする場合は、胃腸障害や自己免疫性疾患の可能性があります。
また、風邪や疲労などから免疫力が低下すると、唇に水庖ができる口唇ヘルペスを発症することがあります。
口唇炎と症状が似ていますが、それぞれ治療薬は異なります。市販薬を誤って使用すると症状が悪化することがあるので、安易な自己判断は禁物。
皮膚科を受診して下さいと書いてありました。
配信 Willmake143
足の健康
むくみを防いで、いつまでも歩けるようにするために、足の健康についての記事が2019年12月7日の朝日新聞に載っていました。
福井県立大の佐藤文准教授(老年看護学)は、2014年に、石川県内の長期療養型の病院と特別養護老人ホームで、お年寄りの体の浮腫(むくみ)を調査したそうです。
身体のいずれかにむくみがあった205人の3~5ヵ月後の変化を見たところ、下半身のむくみが消えたり減ったりした人は3割弱にとどまり、多くの人はむくみが続くか悪化する傾向にあったとのことです。
むくみとは、血液などに含まれた水分が体の一部分にたまった状態です。ふくらはぎや足は心臓から遠く、重力も加わるために血液が 戻りにくくなりがちです。
そこで大切なのが、ふくらはぎの「筋ポンプ」の働きです。「第2の心臓」と呼ばれるふくらはぎは、血液を体に巡らせるために重要な役割を果たします。
佐藤准教授はこの筋ポンプの機能を維持するには、足の裏の踏み込む力が大事だと話しています。
施設では寝たきりを防ぐため、日中は起きているように高齢者に椅子や車いすで座ってすごしてもらっていますが、ベッドにいる時よりも重力で足がむくみやすくなる上に、ふくらはぎの『筋ポンプ』を使わないとむくみが重症化し、さらには歩けなくなる『座りきり』になってしまうと佐藤准教授は語っています。
座ったままつま先立ちのようにかかとを上げ下げする運動や足指じゃんけん、床に広げたタオルを足指でたぐり寄せるトレーニング方法が予防につながるそうです。
むくみの予防に加え、カギを握るのが爪のケアです。足の爪はしっかり踏み込んで歩くために大切な役割を果たします。
年齢を重ねて手の力が衰え、かがむ姿勢が厳しくなると自分で切りづらくなります。
周囲の人やフットケアの専門家の手を借りて、爪の伸ばしすぎや巻き爪を防ぐ必要があります。
配信 Willmake143
後悔しない!白内障手術
高機能の眼内レンズが海外で開発され、日本でも白内障治療の選択肢が広がっているそうです。
見える世界は大きく変わり、眼鏡なしの生活も可能な時代となってきたとはいえ、「術後の見え方に不満が……」という声もしばしば耳にします。
手術は、一生に一度のワンチャンスです。悔いのない白内障手術のポイントについて、元日経メディカル編集委員の友吉由紀子さんがサンデー毎日2019年12月1日号でレポートしていました。
中高年世代は加齢に伴い、見えづらさを感じることが多くなります。白内障は、高齢者の8割以上に発症する代表的な目の病気です。
「白内障は、透明に近いレンズの部分(水晶体)が濁ってしまう病気で、光を通しにくくなるために、見えづらくなります。
加齢が主な原因で、人生100年時代の今、誰もがなりうる病気です」と話すのは、秋葉原アイクリニック(東京都台東区)をはじめ複数の医院で白内障手術を年間約1万件手がける眼科医の赤星隆幸先生です。
近年は、海外を中心に白内障手術で挿入する眼内レンズの開発が進んでいるそうです。
眼内レンズには、水晶体のように、レンズ自体の厚みを調整する機能はないため、近くか遠くの1点にピントを合わせる「単焦点レンズ」か遠近など複数の距離に同時にピントを合わせる「多焦点レンズ」のどちらかを選ぶことになります。
日本では、単焦点レンズを使用した白内障手術が保険適用されるため、8〜9割以上の人が、単焦点レンズを入れているのが現状だそうです。
しかしここ数年は、海外で開発された多焦点レンズの性能が向上したため、国内未承認の多焦点レンズを保険外で導入する眼科医も増えているとのことです。
自費でもかまわないので、術後は老眼鏡も近視用メガネも不要の生活を送りたいという人は、最新の多焦点レンズの選択を検討してもいいし、メガネをかけることをいとわないならば、保険適用の短焦点レンズでも、良好な視界は得られると記事には書いてありました。
配信 Willmake143
グーパー体操
2019年11月30日に「寝たきりでもできる!死ぬまでボケないグーパー体操」という本が光文社から出版されました。著者は、白律神経の研究で有名な順天堂大学医学部の小林弘幸教授です。
小林先生が提案する、いつでもどこでも簡単にできる「グーパー体操」が今話題を呼んでいます。
グーパー体操の基本形は次のとおりです。グーのときは痛くならない程度に、手のひらを指先でたたくようにぎゅっと握ってください。
パーのときは、指先をしっかりとのばし、指がそるまで大きく開きます。手のひらにハリが出るくらいまで広げるのが理想的です。
人混みでやるときは、目立たないように腕を下げてやってもOK。1分程度、ゆっくりとグーパーをくり返すのが基本です。
朝の起床後や、夜の就寝前に行うと効果的ですが、気が向いたときに何回やってもOKです。
実際、手のひらを握って開いて、グーパーを繰り返しているうちに手のひらがあたたかくなってきませんか?
順天堂大学の「漢方先端臨床医学研究室」でリアルタイムで血流の状態を測定できるレーザースペックル式の血流画像化装置を使って調べたところ、30代の男性が1分間グーパーを繰り返しただけで、手のひらから指の末端まで血流量の増加が確認できたそうです。
とくに末端の血流改善効果が顕著で、グーパーをする前と後では、人さし指約80%、中指約75%、薬指約71%も血行がよくなっていることが判明しました。
体中の血液の流れにも大きく関わる手の毛細血管の血流増加が、最新機器によって明らかになったのです。
血管の99%を占めている毛細血管は、「栄養血管」ともいわれ、酸素や栄養を体の隅々まで運び、健康を維持する役割を果たしています。
しかし、この毛細血管は加齢とともに減少します。動脈や静脈などの太い血管が、弾力のある若々しい状態を保つためには、毛細血管の血流がいい状態であることが不可欠なのです。
手や足を握って開くことで、毛細血管を剌激し、ポンプのように血液を全身に巡らせます。
とても簡単な運動です。手のひらを動かすだけで、消滅しないで残っている毛細血管の先端ギリギリまで血液が流れ、酸素が送り届けられます。
その刺激を受けて、新たな毛細血管が作り出されるのです。
この本で小林先生ががすすめる「グーパー体操」は年齢とともに消滅してしまう毛細血管を「再生」する運動です。
配信 Willmake143