3月, 2017年
私の暮らしを守る介護
婦人公論2017年3月28日号は、「夫・親の長引くケアに備えて 私の暮らしを守る介護」 という特集をしていました。
特集の初めには「ある日、突然始まり、いつ終わるかわからない介護生活。真面目な人ほど一人で抱え込み、心身の疲労に加え、金銭的にも追い詰めら れがち。共倒れにならないためには、支える側の生活を守ることが大切です。カギは情報収集とサポート体制づくり。具体的な方策を経験者や専門家が 伝授します」と書いてありました。
東京都新宿区で “暮らしの保健室” を運営している看護師の秋山正子さんは、こうアドバイスしています。
「地域包括支援センターには、ケアマネージャー、社会福祉士、看護師または保健師といった相談役がいます。
利用者は介護認定を申請して要介護1以上の認定が下りた場合はケアマネージャーが、要介護や要支援認定がつかない場合は地域包括支援センターの職 員が、担当者として相談に乗ることに。彼らが司令塔となって、地域の医療・介護資源を横断的にフル活用することで、高齢者の自立を支援することに なるのです。
地域包括支援センターは、地域によって多少名前が違うこともあるので注意してください。役場の中に窓口が設置されているケースもあります。「親と 離れて暮らしている」 とか 「仕事があって、センターに行く時間がない」 という人でも大丈夫。
地域包括支援センターでは、スタッフが自宅まで調査に来て申請を代行したり、親が入院している病院に様子を見に行ったりすることも可能です。まず は、親の住む地域の包括センターまで電話で問い合わせてください」。
配信 Willmake143
女性の尿漏れ
週刊朝日の2017年3月3日号が 「知って得する!新 名医の最新治療」 のコーナーで女性の尿漏れを取り上げていました。
女性の尿漏れは、腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁の2つに大別されます。腹圧性尿失禁は、くしゃみやせき、運動、笑いなどおなかに力が入った瞬間に尿 漏れが起こります。
加齢によって、骨盤底筋群がゆるむことが主な原因ですが、閉経期に女性ホルモンの分泌が低下し、筋肉の張りが無くなることも一因と考えられるそう です。
日本泌尿器科学会専門医・指導医の関口由紀医師は骨盤底筋を鍛える運動として開発された 「ピフィラティス」 をすすめています。
ピフィラティスは、米国の婦人泌尿器科医師が提唱したもので、約100種のエクササイズの中から尿漏れに対して運動効果が高い10種をセレクトし たものです。
ピフィラティスは運動が苦手な人でもやりやすい半面、妊娠末期、人工股関節・膝関節、骨盤臓器脱などの人がやってはいけない動きも含まれています ので、注意が必要です。
切迫性尿失禁は、急に尿意を感じ、トイレに行くが、間に合わないなどの特徴があります。
膀胱の過活動や膀胱と脳の伝達をになう神経の働きの低下などが原因として考えられます。65歳あたりからは、腹圧性尿失禁よりも多くなるそうで す。
切迫性尿失禁には、抗コリン薬などの薬物療法が有効でしょうと埼玉医科大学病院泌尿器科の朝倉博孝医師は述べています。
抗コリン薬は、膀胱が脳に尿意を伝えるときの神経伝達をブロックして、頻尿や尿漏れを抑える薬です。
肥満や便秘も尿漏れの悪化要因。腹圧性尿失禁も切迫性尿失禁もともに、日常生活の見直しも大事だと記事の最後には書かれていました。
配信 Willmake143
育毛は頭皮のスキンケア
日経Goodayは2017年3月号で、男と女の薄毛治療前線を特集していました。髪が抜ける原因やそのメカニズムについては、近年、着々と研 究が進んでいるそうです。
男性の薄毛と女性の薄毛には、それぞれ特有のパターンがあって、男性は額や頭頂部が薄くなり、女性は頭頂部が広範囲に薄くなります。
男性の薄毛の主な原因は、男性ホルモンの影響ですが、女性の薄毛は男性ほどシンプルではありません。
「閉経後の薄毛であれば男性ホルモンの影響も受けるが男性ほどはっきりした関連性は認められない。女性ホルモンについてもその作用はよくわかって いない。さらに加齢によって毛包が小さくなることや、血流の悪化、栄養不足など、女性が薄毛になる要因は多岐にわたる」 と東京医科大学皮膚科の坪井良治教授は語っています。
男性と女性の薄毛の原因やパターンは異なっても、どちらも 「ヘアサイクル」 が乱れているのは確かだそうです。
このサイクルが乱れて、髪が太くならずに抜け落ちたり、早く抜けたりすることで、薄くなっていきます。
資生堂の研究によれば、男女でヘアサイクルの乱れ方に違いがあって、「薄毛の男性は髪の本数は減っていないが、髪が成長せず産毛の状態にあること が多い。女性の場合は、抜け落ちてからの休止期が長くなってなかなか次の毛が生えてこない状態に陥るため、髪の本数自体が減ってしまう」 ということです。
このヘアサイクルの男女の違いは、重要なポイントです。男性は、髪が太くなる 「成長期」 を、女性は髪の毛の 「休止期」 をそれぞれ正常なサイクルに近づければ、薄毛は食い止められるはずだからです。
男性の薄毛には、医療機関で処方される内服治療薬(フィナステリドやデュタステリド)が効果的で、ミノキシジルを併用すると、より効果的だと書か れていました。ミノキシジルの外用薬は、リアップというシリーズ商品名で市販されています。
より自分に合った濃度のミノキシジル外用薬を使いたい場合は、医療機関に相談して下さい。女性の薄毛には 「残念ながら、女性への効果と安全性がしっかり確認ができた飲み薬はない。ただし、外用薬では女性にもミノキシジルは効果を発揮する」 と坪井教授はいっています。
資生堂ライフサイエンス研究センター先端領域研究グループの仲西城太郎さんは
「育毛は頭皮のスキンケア。顔のお手入れと同様に毎日行うことこそ、健やかな髪を育てるコツ」 だとアドバイスしていました。
配信 Willmake143
検査なんか嫌いだ
集英社から 「検査なんか嫌いだ」 という本が、2017年2月28日に出版されました。著者は、諏訪中央病院の名誉院長の鎌田實先生です。
検査が苦手な鎌田先生は、無類の検査嫌い、病院嫌いで有名だった永六輔さんと交流がありました。2016年7月7日に83歳で亡くなった永さんの お別れの会で読んだ弔辞で、次のようなエピソードを紹介しています。
「永さんは、ある病院で1週間の人間ドックを受けることになった。採血をして生化学の検査をする、そう説明を受けても 「僕は拒否します」 と言い、翌日、胃カメラをのんでもらいますと言われたときも、もちろん拒否。自分は「日本胃カメラを飲まない会」の会長と豪語した。
医者や看護師から検査の説明を受けては、ひとつひとつ断っていった、とんでもない患者である。1週間後、最終的に永さんの受けた検査結果は、「血 圧」 と 「身長」 と 「体重」 だけだった。式場中が大笑いになった」 。
そして、こう続きます。
「医者と患者さんの信頼関係を永さんと構築していくなかで、彼のように徹底的に検査が嫌いな患者でも、話し合いながら上手に選択していけば、その 人の人生観に合った、クオリティ・オブ・ライフ(生活の質)の高い治療を受けることができると確信した。
永六輔さんは亡くなられたが、最小の検査を受けるだけで、効率よく診断がつき、パーキンソン病と前立腺がんという2つの病気を抱えながら、亡くな る10日前まで自分のラジオ番組を持ち、83歳の生涯を生き抜いて、穏やかな最後を迎えた。
検査は嫌いでもいい。でも上手に利用することがだいじなのだと思う。最小限の検査で、永さんのように最後まで自分らしく生きることだってできるの だ」 。鎌田先生は、検査が嫌いな人が実践すべき健康法5か条を本の最後で紹介しています。
配信 Willmake143