9月, 2014年
男性の更年期障害
2014年9月23日にNHK Eテレで放送された “きょうの健康” の番組テーマは、男性の更年期障害でした。
順天堂大学教授の堀江重郎先生が 「更年期障害は、女性特有の病気と思われがちですが、実は男性にも起こり、近年では、男性の更年期障害も病気として認識されるようになった」 と解説していました。
女性の更年期障害の場合、女性ホルモンの低下が原因で、50歳頃に迎える閉経を挟んだ約10年間に症状が現れます。
ホルモンの低下が落ち着くと症状も治まります。男性の場合も、男性ホルモンの低下が原因ですが、もともと男性ホルモンの量や減り方には、個人差が 大きいため、更年期障害の症状が現れやすい時期や治まる時期は定まっていないそうです。
男性ホルモンの分泌量が低下すると、発汗やほてり・疲れやすいなどの体の症状、いらいら・不安・憂うつなどの心の症状、性機能の症状などが多岐に わたって現れるということです。
男性更年期障害の診察は、泌尿器科で行っています。近年では、男性更年期外来やメンズヘルス外来などを設けている医療機関もあるので、気になる症 状がある場合は、受診して相談することをすすめていました。
また、自分ができる対策として、男性ホルモンの低下を防ぐために、日常生活では次のことを心がけましょうといっていました。
ストレスをため込まないこと、質の良い睡眠をとること、適度な運動を行うこと、仲間と競い合うことの4つです。
配信 Willmake143
大人の虫歯ケア
NHK Eテレの健康情報番組 「チョイス@病気になったとき」 が2014年6月から8月の放送内容に、あらたな情報を加えて1冊の雑誌になっています。その中で、“大人の虫歯ケア” が取り上げられていました。
「歯を失う原因」 として最も多い歯周病が、いま注目されていますが、二番目に多い虫歯も成人では8割の人にあり、とくに45歳以上では過去の調査に比べて、増加していると 書かれていました。
また歯周病、知覚過敏、虫歯の問題は、原因や対処法は異なるものの相互に関連しあい、同時に起こる場合も多いため、総合的な口腔ケアが重要ですと も書かれていました。
きちんとケアをして、危険な 「酸蝕歯」 を遠ざけて起こさないようにするということです。
酸蝕歯とは、歯に残った歯垢(プラーク)の中で、虫歯菌が糖を栄養にして酸をつくりだし、歯のエナメルを溶かしていくことです。
糖と酢(酸)がいっしょになった寿司は酸蝕歯を招く “危険な” 食べ物ということになります。
炭酸飲料や柑橘系のジュース、スポーツドリンク、アルコールなども口の中を 「酸性」 にします。虫歯ができにくい状態を保つために、だらだら飲み続けない。飲んだ後は、口をすすぐか、水や緑茶を飲む。
そして、ガムを噛むことを記事の中では、すすめていました。ガムを噛むことをすすめるのは、唾液は口の中で酸を中和し、唾液に含まれるミネラルが 歯の石灰化にも役立つからです。
配信 Willmake143
若々しい肌を保つための抗酸化
肌のくすみやたるみが気になったり、「老けたんじゃない」 と言われてショックを受けたりした経験はありませんか?
その主な原因であるからだの「糖化」についての記事が、2014年9月20日の朝日新聞に載っていました。
糖化とは、食事で取り入れた糖分のうち、エネルギーとして使い切れなかった糖が体内のたんぱく質と結びつき、AGEs(たんぱく糖化反応最終生成 物)という老化物質を生成させることです。
この老化物質が体内のたんぱく質の機能を落としたりして、肌のくすみやたるみの原因になるそうです。また内臓の働きを低下させたり、動脈硬化を進 めたりするほか、アルツハイマー病などとの関連も指摘されていると記事には書かれていました。
糖化を防ぐには、甘い物や炭水化物の取りすぎを避けることと血糖値を急激に上げない食事の仕方などが重要です。
そこで、同志社大大学院生命医科学研究科アンチエイジングリサーチセンターの米井嘉一教授は 「食べる順番」 を提唱しています。
米井教授は、ただ最初に野菜を食べるだけでも糖質の吸収率、血糖値の急激な上昇を防げるので、食事の際は常に “ベジタブル・ファースト” を念頭に置くといいと語っていました。
配信 Willmake143
認知症を噛む力で治す
厚生労働省は2012年に 「認知症高齢者の日常生活自立度?以上の高齢者数について」 という報告書を発表しています。
それによると、2025年時点の認知症高齢者数は470万人(65歳以上の12.8%)と推計されています。
脳機能の老化と関係が深い認知症を防ぐために、ガムを噛むことが提唱されていますが、それを解説した本が2014年9月19日に出版されました。
“認知症を噛む力で治す” という本で、著者は岐阜大学医学部助教授や神奈川歯科大学教授を務めながら、咀嚼と脳の関係を研究してきた小野塚 實さんです。
小野塚先生は、食生活の大きな変化によって、昔と比べて日本人は、噛まなくなったが、1日2〜3枚のガムを噛むだけで、咀嚼の回数の少なさをかな りカバーできると書いています。
日本チューイングガム協会の調べによれば、一般的に1枚(1粒)のガムを味がなくなり捨てるまで、およそ10分程度噛んだ場合、550回も噛んで いるそうです。
ゆっくり、しっかり、意識して噛むことで、前頭連合野や海馬といった脳の広い領域が活性化することが研究でわかっています。
トクホに指定されたガムのパッケージには食べ方が表示されていますので、それを参考に、「ガム噛み」 習慣を生活の中に採り入れてみてはいかがですか?
配信 Willmake143
食といのち
2014年9月10日に 「食といのち」 という文春文庫が出版されました。いのちを支えるスープで有名な料理研究家の辰巳芳子さんの対談本です。
本の中には、看護師の川嶋みどりさんとの対談 「口から食べることの大切さ」 が含まれています。
川嶋さんは対談の中で 「医学的には、どちらかといえば栄養素やカロリーを問題とします。ところが、私たちが長いこと看護師として経験しているなかでは、たとえ栄養学的に全然価 値がない食事でも、口から入ることに、すごく大きな意味があるんです。
しかもその食物はその人の生きてきた歴史にとって意味のあるものなんです」 と語っていました。
末期の患者さんには、たとえスープ一口でも、明日の命につながる。医学的にはたったスープ一杯飲んだとしても、癌が治るわけではないけれど、患者 さんは意欲が出てくる。
歩んできた歴史とか懐かしい思い出を刺戟すると、症状が軽くなったりすることもあるそうです。
認知症の患者さんには、その懐かしい思い出の中で、食べものは大きなウエイトを占めている、そんなふうに語る川嶋さんにとっての看護の基本とは、 「食欲のない方にどうしたら食べていただけるかな」 と一生懸命その方の身になって考えることだそうです。
“口から食べる” ことを大切にする点では、看護師も歯科衛生士も同じだということを認識させてくれる本でした。
配信 Willmake143
時間栄養学
8月31日は、全国青果物商業協同組合連合会などの9団体が1983年に制定した “野菜の日” です。
「野菜の日」 をきっかけに、野菜から食べる習慣を始めてみませんかという全面広告をキューピーが朝日新聞に載せていました。
キューピーの2014年8月31日の広告記事には、時間栄養学という言葉が使われています。女子栄養大学の香川靖雄副学長が監修しているキュー ピーのホームページには、時間栄養学について、こう書かれています。
「時間栄養学の進歩で、食べる時間はもちろんのこと、食べる順序や速度が健康に大きな影響を持つことがわかってきました。血糖値が急に増えると、 すぐにインスリンが分泌され、血糖を脂肪に変えてしまいます。
またインスリンが急激に上がると、しだいに膵臓の機能を弱めて、長い間に糖尿病の原因ともなります。これを防ぐために大変有効な方法が、野菜など をご飯よりも先に食べることです。
ちなみに食事の際、一口30回かむなどゆっくり食べることは、インスリンの分泌を抑える上でも有効です」。
また、朝食から夕食までが12時間で収まっていれば、体は持って生まれたリズムで動いていると考えられるので、生体リズムが乱れて代謝がスムーズ でない人の場合、12時間以内を意識して実践するだけで減量につながることもあるそうです。
夕食がどうしても21時以降になってしまうというような場合には、17〜18時ごろに軽い食事を取ることで、昼からの長い血糖低下を防ぐととも に、夜食を多く摂取してしまうことによる肥満も予防できるとキューピーのホームページには紹介されていました。
配信 Willmake143