医療検査や治療はどれだけ必要?

2022-06-23

医療検査や治療はどれだけ必要?週刊朝日2022年6月24日号は、「高齢者の医療検査や治療はどの程度の頻度や内容が必要なのか」についての記事を載せています。

諏訪中央病院の鎌田實名誉院長は、「年齢と人生観で違う」といっています。検査を徹底的にしたい人もいて、年齢だけで必要か不要か決めるのは難しい。
「75歳まではいろいろな検査をしても、その後は人生観で、検査が嫌いなら、やらなくてもいいのでは」と話しています。

米国の内科専門医認定機構財団は不要な医療検査や治療をなくすため、「チュージング・ワイズリー」(賢い選択)の活動をしています。鎌田先生は『ピンピン、ひらり。』(小学館新書)で、この活動を紹介して、患者に本当に必要で、副作用の少ない医療検査や治療を賢く選択することを説いています。

チュージングーワイズリーは、〃鮃で無症状の人にPET、CT検査によるがん検診を推奨しない。PET検査とは検査薬を投与し、特殊なカメラで画像化し判断するもの。
通常の人間ドック検査に比べ、がん検出率は約20倍とされる。CT検査とは、部分的に体内の腫瘍の状態を見るもの。代謝の状態を見るPET検査と合わせ、より正確な検査ができる。
一方、放射性薬剤を用いるため、少ないものの、放射線被曝があるとされる。

また、健康で無症状の人に血清CEAなどの腫瘍マーカー検査によるがん検診を推奨しない。CEAは、がんの存在を示唆する腫瘍マーカーの一つで、腫瘍マーカー検査は血液や尿など体液成分を調べる。がん細胞が多いと数値が高くなる。
一方、飲酒や喫煙といった生活習慣などの影響で、がんと無関係に数値が高くなることがあり、逆に、がんでも数値が高くならないこともあるため、これだけで確定できず、参考になる検査の一つとされる。また、すべてのがんで、特定の腫瘍マーカーが見つかっているわけでないそうです。


医療検査や治療はどれだけ必要?さらに、7鮃で無症状の人にMRI(磁気共鳴断層撮影)による脳ドック検査を推奨しない。脳出血などのリスク発見に優れた画像診断検査とされる。
一方、安全性は高いものの、造影剤により、頭痛、めまい、吐き気、嘔吐などの副作用には注意も必要とされる。呼吸困難などの重い副作用が出ることがあるそうです。
不要な医療検査や治療を推奨しないチュージング・ワイズリーどおりでなくても、本人が望まない医療検査や治療をしない動きが広まるといいと鎌田先生は考えています。

配信 Willmake143

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