高齢者うつ

2022-05-20

高齢者うつ週刊文春2022年5月26日号は、「高齢者うつのサインを見逃すな」という記事を載せています。
5月、渡辺裕之さん(享年66)、上島竜兵さん(同61)と、60代芸能人の自死が相次ぎました。メンタル面の要因が指摘されています。


高齢者うつ高齢者のうつ病人口は年々増加傾向にあります。厚生労働省の「患者調査」(平成29年)によれば、躁うつ病を含む気分障害の患者のうち、35%を65歳以上が占めています。
慶応義塾大学医学部精神・神経科学教室教授の三村将医師は、「高齢者のうつは、60代、70代が最も多い。およそ10人に1人がうつを抱えていると考えられます」と語っています。

また、順天堂大学順天堂越谷病院メンタルクリニック教授の馬場元医師は、「うつ病は人と会う頻度が多いほどかかりにくくなる。そのため社会的孤立を防ぐことが重要ですが、コロナ禍で人との交流が制限されたことで、うつになる高齢者が増えてきています」と指摘しています。

高齢者の場合、どんな人がうつに陥りやすいのか。「『喪失体験』をきっかけにうつになる人が多いです。高齢者にとっての一番の喪失体験は、身近な人の死。中でも配偶者の死がストレス要因としては最も強い。
男性は退職後、女性は子供が独立した後に、それぞれ目標や生きがいを失うケースがある。そして健康の喪失。高齢者は持病を抱えていることも多く、それだけで気落ちする。
昔はゴルフでラウンドを回れたのに最近は回れなくなった、といった体力や気力の低下が原因でうつになる人もいます」と三村先生は述べています。
うつのサインにはどんなものがあるのか。一番自覚しやすいのが、睡眠障害と食欲の低下。朝早くに目が覚めて二度寝が出来ない早朝覚醒や、夜中に何度もトイレに起きてしまう中途覚醒などの睡眠障害が起きます。
食が細くなった、ご飯を美味しく感じなくなったというのも要注意だそうです。

そもそも、高齢者のうつは予防できるのか。規則正しい生活や運動といった生活習慣が第一ですが、食事にも配慮できる点はあります。
青魚やナッツ類に多く含まれるEPA、DHAといったオメガ3不飽和脂肪酸がうつ病に効果があると言われています。
内村医師は、「うつは、誰でもなると思ったほうがいい。しかし、症状が重くなるのを防ぐことはできる。そのためには周囲がサインを見逃さないことが重要です」といっています。

配信 Willmake143

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